コタツへの思い
いい加減コタツを片付けようと考えている。ここ最近暖かくなり、もういい加減コタツから卒業する季節である。
たとえ朝晩が寒くても、朝起きてすぐにコタツの電源を入れるとしても、家に帰って手洗いうがいの次の動きが、コタツに足を突っ込むことで、それが習慣化していても、もういい加減に家の外は春なのだ。
しかしなぜだ、なぜ家の外の方が暖かくて、室内はついついコタツに潜り込みたくなるくらい肌寒いのか。確かに日当たりは悪い立地だが。
おかげで最近は、いつも上着の選択をミスしてしまう。高確率で上着が荷物になる。
家の中だけ季節が遅れている、ココはまだ冬なのだろうか。
コタツがあることで冬らしい装いの部屋にはなっているが、気温まで冬を招いたつもりはない。寒いのは困る。
今、コタツを片付けても後悔しそうな室温である。もう一度設置しそうだ。
だが、しかし。
できればクリーニングの安売り期間にコタツ布団を洗いたいんです。春よ、家の中まで早く来てください。
スリリングタイマー
タイマーを踏んでしまった。
運良く本体部分は割れなかったが、数字を表示する画面が内部にへこみ、外れてカタカタ音が鳴る。
パスタを茹でるとき、お茶を真面目に入れてみようとチャレンジするとき、ほかにも細々した用事で使っていたタイマーだった。地面にそのまま置いていた自分が徹頭徹尾わるいのだが、にしても辛い。
ちょうど半熟タマゴにチャレンジだ、と思い立ってその足で冷蔵庫に向かう途中の出来事、あぁ使おうと思っていたのに、どうするよ。
いや買いに行けばいいのだが、タイマーだけ買いに行くのもなんだか面倒くさい。どうせなら他のものを買うときについでに行きたい。何度も出かけたくないし。
とりあえずダメ元でボタンを押すと、音が鳴る。反応がある、もしかして使えるのではないか。
数字を表示する部分が真っ暗なので、とりあえず秒のボタンを1、2……と数えながら5回押す、そしてスタート。
画面が暗い、動いているかわからない。が、おそらく5秒後だろう、ベルが鳴った。よしよし使えそう。
では当初の予定通り、半熟タマゴにチャレンジしよう。ネットのレシピを参考に、ドタバタと調理開始。数を数えつつタイマー設定、そしてスタート。今回は6分加熱で。
しばし待つ。
……あと、どのくらいだろうか。なんか時間が結構たった気がするが。
部屋の時計を見るものの、何時何分から加熱開始したか見てないのでよくわからない。そしてタイマーの表示画面は黒い。不安だ。
どうしよう、もしかしてスタートボタン押してないのか。それとも押す回数まちがえたのだろうか。いやまあ、半熟タマゴが食べたいけど、固ゆででも我慢するか、などと火を消そうして結局消せなかったその後、ようやくタイマーのベルが鳴った。今6分たったらしい。急いで氷水に入れる。ほんとに出来たのか。
結果は、ちゃんと半熟だった。自分の体内時計は当てにならない。
なんだかスリリングなタイマーになってしまった。
でも、まだ使えそうな気がする。一度そう思うと多分当分このままだ、買い換えなさそう。
カステラの底のザラメ
時たま、スーパでカステラの切り落としを買う。甘いものが食べたくなったときについつい手が伸びる一品。
お手軽価格というのも理由だが、たまに入っているザラメ付きのカステラを目当てにしている。あの商品だけかもしれないが、ザラメ付きが大量に入っている、大当たりがあるのだ。
そんなにザラメを欲するなら、はじめからザラメ付きのカステラを買えばいいのだが、なんだか、はじめからザラメ付き確定の商品を買うよりも、蓋を開けたときの感動の度合いが大きい気がする。そして安い。
お手頃価格で、外れなし、あたり(ざらめ)付きのくじ引きである。
ザラメをかじった瞬間の、あの甘さが口の中で広がる時が、幸せの時。
ザラメが本体ではなく薄い紙についてしまうと悲劇の時間。
付いたら付いたで、そぎ落としで食べるのだが、やはり本体部分と一緒に食べたいもの。カステラの紙部分をめくる時は、慎重に指先を動かす。真剣そのもの。
それにしても、カステラって多分オーブンで焼くと思うのだが、その行程をくぐり抜けて形が残ったザラメ。
ザラメってそんなに熱耐性があるのだろうか。最近の疑問である。
学ぶ人には福きたる……?
お正月や新年度になると、毎度「今年こそは!」と考える。
そんな気合いを持ち続け、結局一年、気合いだけもって過ごす。つまり何にもしていない。
いつも、決意したときがやる気ゲージの最高点。その後ずっと右肩下がりである。いやはや毎年、歳はとってるけど成長してないな、これは。
今年もそろそろ、そんなやる気ゲージが高まる年度始まりが迫っている。今年は何をやろう、と決意する気分になるのだろうか。そして本当に行動を起こすのだろうか。
結局、行動しないと言うことは現状を変えることを諦めているのだろうな。何をしても、何が変わるんだかという気持ち。ずいぶんやさぐれ、そして他力本願なことで。
人生一度、楽しまないと損、とそんな台詞をよく聞くが、切迫した気持ちにならない自分を振り返り、たまにあきれる。
まあでも、年末はやる気ゲージが最低値になる時期ただから、仕方ないか。そのうち根拠のないやる気がわいてくる、年度初めだ。
そうして、一年ループする。くるくる。
くるくる回ってもいいから、せめて螺旋階段みたいに多少は別の場所を歩いている人生だといいのだけれど。
雨の日の楽しみ
雨。
外に出るのが億劫になってしまう、そんな天気。
どうしても外出しないといけないときは、極力屋根の下を歩くルート取りをするか、防水の靴で外出する、そのくらい、いつもより気合いを入れて外出していた。
しかも、防水の靴と言っても、たいして防御力が高いわけじゃない。ある程度歩いていたら靴先の隙間や、水がとんだ足首部分から濡れていってしまう。
正直、雨は苦手だった。
その日はいつも通り、雨の日モードで外出していた。残念ながら、ほとんど屋根がない住宅街を歩く必要があり、しっかり傘を差して早足で目的地に向かっていた。
気分が下向きだからか目線も下に、黙々と歩き用事を済ました。その帰り道、初めて来た場所で、さらに帰り道だったので、すっかり油断していた。
下を向きつつ歩いていたら、道に迷った。
ナビアプリで最寄りの駅まで5分程度と出たので安心し、ため息をつきつつ周りの景色を確認して歩こうと目線をあげたその時、それは目に入ってきた。
濃淡のある緑。
住宅街の壁やコンクリートの縁部分にくっついている、そう、多分コケ。
この道が特別コケが多いのか、初めて通った道だからわからないが、コケ、いつもより鮮やかな気がする。
コケってこんなに目立っただろうか。
あれ以外、コケが気になり道を歩いているときはチラチラ探すようになった。案外いる。
そして、やはり雨の日は緑が鮮やかになる気がする。薄い緑色のコケも雨の日はつややかで目立つ。緑にいろんな色彩があることを、コケに教えてもらった気分である。
雨の日のコケの魅力を知ったのか、雨が降ると傘を持ちつつ歩くのもいいな、と心境の変化が起こっている。なんだか緑の鮮やかなコケが見たい。
何がきっかけで、憂鬱が減って、楽しみが増えるかわからないもんだ。
ナッツを食べる
ナッツといえば「ピーナッツ」という認識だったが、最近のナッツ類のラインナップの多さには驚く。
先日、初めてピーカンナッツ?なる物を頂いた。見た目は少し平たく伸ばしたクルミ。味もちょうどよい渋みがあってクルミに似ている。商品パッケージにも"クルミとの違いは○○”といった、うたい文句が書かれていたため、多分よく似たナッツ類なのだろう。外国産クルミと言ったところだろうか、違和感なく美味しく頂いた。
マカダミアナッツが入ったチョコレートを食べた時も驚いたが、ほんとに世の中いろいろな濃厚な味のナッツ類がある。カシューナッツなどは、手を止めることが出来ない。素焼きのナッツを食べ始めると、ほんとに止まらない。
食べ方もどんどん変化してきた。
ピスタチオなんて、濃厚さとあの鮮やかなライトグリーン色でクリームになっている。昔は、殻付きでお煎餅とともに、飲み会のつまみポジションにいたような気がするナッツだったのに、スイーツに変身している。驚き。
今、ナッツは健康食品としてかなり有望視され、消費が増えているとか。
日本で昔からあるナッツと言えば、ピーナッツとクルミだろうか。これからも外国産のナッツ類に負けずに食卓を彩ってほしい。が、案外種類が少ないように思う。なにか他にないものか。
ナッツ=木の実
日本の木の実といえば、「どんぐり」だろうか。
どんぐりもあく抜きすれば食べられると聞いたことがある。縄文時代には食べられていた可能性がある、なんて話も聞く。
でも、さすがに現代ナッツ類には入れられないよね。